タヒチで味わうフランス料理 2006年7月
南太平洋に浮かぶ楽園タヒチの正式な名称はフランス領ポリネシア、フランスの海外領土です。珊瑚礁に囲まれたボラボラ島などの美しい島々は旅人の心を捉えてやみません。今回念願かなってボラボラ島とタヒチ島を訪れることになりましたが、フランス領ならではのフランス料理を堪能しようと思い、滞在しているホテル以外のレストランを２軒ほど訪れてみました。
ボラボラ島
トップ・ダイブ （コンティキ） Ｔｏｐ Ｄｉｖｅ （ｋｏｎｔｉｋｉ）
本島にあるトップ・ダイブ・リゾ−ト内のレストランです。予約すると無料送迎してくれます。
滞在したボラボラ・パ−ルビ−チ・リゾ−トのアクティビティ−デスクで予約すると、18：20のボ−トで対岸のシャンスラ−ドまで行くように言われました。ボ−トに乗り5分ほどでシャンスラ−ドに着くとレストランからの送迎のタクシ−が迎えに来ていました。アメリカ人ゲストとの相乗りで10分ほどでトップ・ダイブに着きました。
天井の高い木組みの建物は南国らしく、柱に灯った電球が雰囲気を華やかにしてくれています。メニュ−は日本人ゲストも多いためかフランス語・英語・日本語併記です。コ−スは2種類、9,800ＣＦＰ（フレンチ・パシフィック・フラン、1ＣＦＰ＝約1.15円）と6,000ＣＦＰ、9,800ＣＦＰの方を注文しました。
アペリティフはシャンパ−ニュ（1,300ＣＦＰ）をワインは2000年のムルソ−、ルイ・ラトゥ−ル（7,600ＣＦＰ）を頼みました。
「スパイシ−なフォワグラのコンフィ、セロリと生姜添え」
薄切りのフォワグラは表面にスパイスが付いた状態で漬けこまれていて、辛味よりも苦味の方が強く感じられますが、美味しくないわけではありません。少し酸味の効いたソ−スと合わせていただくと、ちょっと引き締まった味わいに感じられます。
「ホタテとエビのソテ−、野菜添え」
シンプルにソテ−されていますが、材料が新鮮でとても美味しいです。特にエビがすばらしいです。
「マヒマヒのソテ−、白バタ−とバルサミコソ−ス」
やはりタヒチは南太平洋の島だけあって魚が美味しいです。バタ−とバルサミコのソ−スのおかげで味わい深くも軽くいただくことができます。
「アシ・パルモンチェ−（マッシュポテト・ひき肉・玉ねぎ等）、赤ワインソ−ス」
南の島をかたどった盛り付けがリゾ−トらしさを演出してくれます。マッシュポテトに細かく刻まれた鳥のコンフィと玉ねぎが挟まれています。ソ−スはピノ・ノワ−ル、メインの肉料理を繊細に仕上げてくれています。
「とろけるチョコレ-トケ−キ、エスプレッソアイス添え」
フォンダンショコラはデザ−トを豪華に締めくくってくれました。エスプレッソアイスの上にのったフル−ツが南国らしかったです。
シェフはタヒチを周遊するクル−ズ船、ポ−ル・ゴ−ギャン号のシェフをしていたそうです。リゾ−ト客だけではなくフレンチ好きをも満足させる腕前だと思いました。サ−ビスも南国らしい軽快さが楽しめ、ライトアップされたプ−ル越しにながめる夜の海の雰囲気もよかったです。
タヒチにはチップの習慣が一切ないとのことなのでチップは特に置きませんでした。
帰りのボ−トの時間を気にしていましたが、ちゃんとタクシ−で送ってくれ９時半のボ−トでホテルに戻りました。
本当は「ラ・ヴィラ・マハナ（la villa mahana)」という一軒レストランに行きたかったのですが、8席しかない超人気店らしく私の滞在中は常に満席でした。ここに確実に行くためには、現地に行ってからではなくボラボラ旅行が決まった段階でFAXなど自力で取るしかなさそうです。
私の滞在したボラボラ・パ−ル・ビ−チ・リゾ−トにはメイン・ダイニング「テヴァイロア（Tevairoa）」があります。普段はフレンチのアラカルトを楽しむことができるのですが、唯一行った夜がタヒチアン・ブュッフェだったので食べることができずに残念でした。私が調べた限りではかなりのレベルのフレンチが食べれるようです。
タヒチ島
ロ・ア・ラ・ブッシュ L'O a la Bouche
タヒチ島にあるフレンチ・ポリネシアの首都パペ−テはボラボラ島などの島々と比べれば大都会です。でもハワイと比べれば高いビルもなく、店も５時で閉まってしまい、かなり静かなところです。
本格的なフレンチの店もさほど多くないようです。ガイドブックによるとル・ココス（Le Coco's)とロアラブッシュが有名なようですが、パペ−テの中心部にあるロアラブッシュの方がアクセスが容易なのでそちらにしました。
予約はパペ−テのバイマ・ショッピング・センタ−にあるＪＣＢデスクで予約しました（ＪＣＢデスクはいろいろな国にありとても便利ですが、ＪＣＢが使えるというお店でも実際には使えない場所が多いのでＶＩＳＡやＭＡＳＴＥＲは必携です）。
１９時半に予約したので滞在している、ラディソン・プラザ・リゾ−トからタクシ−で向かいました。このホテルはパペ−テからかなり離れていてタクシ−がすぐに来ないようなので、フロントであらかじめ予約しておきました。お店までは20分ほど、2,000ＣＦＰで着きました。
店内はあまり広くなく、雰囲気やサ−ビスの対応もレストランというよりはビストロです。ドレスアップは必要ないようです。メニュ−は外人用のものが出されました。アラカルトのみですが、すべて英語と日本語が併記されていてとてもわかりやすいです。
ポ−ションを考えると前菜・メイン一皿ずつがベストですが、欲張って前菜一皿・メイン２皿にしてみました。
ワインリストを見るとあまり種類がありません。アペリティフはグラスのシャンパ−ニュ、ワインはボトルでシャブリ、肉料理にグラスで赤ワインを頼みました。それとあまり美味しくはないのですがタヒチ産のミネラルウォ−タ−を頼みました。
「アミュ−ズのパイ」
「鴨のフォワグラのテリ−ヌ、ト−スト」
2,900ＣＦＰ
フル−ツの甘いつけ合わせと塩気のある野菜の付け合せでいただきます。確かにこれは本格的なフレンチです。料理はかなり期待できそうです。
「マトウ鯛フィレソテ−、天然いらくさとサフランクリ−ム」
3,300ＣＦＰ
火入れのすばらしい新鮮なマトウ鯛とサフランのクリ−ムソ−スは相性がよく、コクがありながらも軽めに仕上がっています。付け合せに野菜のソテ−とライスが出てきましたが、肉料理も頼んでいるので遠慮しておきました。
「タイム、トマト、ピ−マン入り レア赤マグロ ロ−スト」
2,950ＣＦＰ
タヒチではマグロが取れ、ホテルなどでも生のマグロを何度か食べる機会がありました。ただタヒチでは赤身だけ食べあとは棄ててしまうそうです。厚いマグロがレアで焼き上げられ、トマトを中心とした野菜のソ−スでいただきます。連れが頼んだ料理ですが、ちょっといただいてみました。それを見ていたギャルソンが取り皿を持ってきてくれました。高級店ではできませんが、ここはほとんどビストロなので気になりません。やはり火の入れ具合がすばらしく、半生のマグロはとてもやわらかく、トマトの甘さでやさしい味わいになっています。とてもタヒチらしさを感じる料理でした。
「蜂蜜と生姜味、子羊のフィレ」
3,300CFP
蜂蜜の甘味が効いたソ−スで味わう子羊はまったくクセがなく最後まで美味しくいただけました。ただすでにお腹がいっぱいなので付け合せのポテトは食べられませんでした。
デザ−トのメニュ−が出てきました。さすがにこれはフランス語のみです。12種類もありますが、すべて値段は1,050CFPです。
「バニラ・プロフィトロ−ル、チョコレ−トソ−ス」
1,050CFP
ファミレスのデザ−トのような派手な盛り付けです。連れが頼んだものですが、味もファミレスなみのようです。
「タヒチ産バニラを使ったクリ−ム・ブリュレ」
1,050CFP
タヒチ産のバニラは有名なので、期待して頼んでみましたが、ごくごく普通の味わいです。
いままで出てきた美味しい料理にくらべると明らかにデザ−トのレベルが落ちています。連れに言われて後ろを振り返ってわかりました。シェフが座って新聞を読んでいます。どうやらデザ−トは別の人（パティシエ？）が作っているようです。
最後にエスプレッソを頼んでしめくくりました。
雰囲気とサ−ビスはビストロですが、料理（デザ−トを除く）のレベルは高いです。手軽に本格的なフレンチを楽しむにはもってこいでしょう。アラカルトのメニュ−は魚料理がメインでかなりの数があります。いろいろと試してみたくなりました。
雰囲気も楽しむならル・ココスが良いのではと思いました。ちょっとパペ−テからは離れていますが、海沿いにありワインの種類も豊富なようです。ここならドレスアップして行く甲斐もあることでしょう。
それとタヒチのリゾ−ト・ホテルのレストランは島のリゾ−トとしてはレベルが高いようです。雰囲気やサ−ビスもすばらしいので積極的に利用すべきだと思いました。
会計を済ませ（31,180ＣＦＰ）、行きと同じタクシ−を呼んでもらいホテルに戻りました。8時以降は料金が倍くらいになるそうですが、他の客との相乗りだったので2,000ＣＦＰで済みました。ワゴンタクシ−なので2組乗っても余裕でした。
タヒチは日本から11時間、フランスからだとロサンゼルスかニュ−ヨ−ク経由でそれ以上かかります。それでもフランス領だけあって料理のレベルはなかなかのものだと思います。魚以外は新鮮で良い材料が入りにくいせいもあると思うのでそれほどでもなかったですが、魚料理はかなり美味しいものがありました。フランス本国でもそうですが、事前に調べて行けば確実に美味しい料理に巡りあえると思います。
ボラボラ島には水上コテ−ジを持つ多くのリゾ−ト・ホテルがあり、優雅なリゾ−ト・ライフを送ることができます。また隣のタハア島には南太平洋で唯一ルレ・エ・シャト−に加盟する「ル・タハア・プライベ−ト・アイランド・リゾ−ト＆スパ」があり、リゾ−トではめずらしくドレス・コ−ドのあるレストランがあります。ぜひとも訪れてみたいものです。
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